また、首都圏地域における川崎を考えた場合、一極集中から多核多圏域型構造へという動きに対応していく必要があり、業務核都市として、自立都市圏、職住近接型の都市の構築を進めることが重要である。特に、本市において、都市的サービスなどが充足された地域社会としての自立都市圏を形成するという観点からは、多機能型の都市形成を進めていく必要性が高いといえる。
こうしたことから、都心地区については、川崎の玄関口である川崎駅周辺区域、横須賀線の新川崎、JR南武線の鹿島田駅が一体的なエリアを形成している新川崎駅・鹿島田駅周辺地区を都心として位置づけ、基盤整備とともに住宅の整備が進められている。川崎駅周辺地区の整備については、広域的な商業・生活・文化等の諸機能の集積を図り、高次な都市拠点としての整備が進められているほか、中心市街地活性化法の認定を受けた商業の活性化と基盤の整備が進められている。
3 都市における定住の状況
図5は、本市の各区の人口と都心部における人口の推移を示したものである。各区の人口からは、市全体としての人口が増加傾向にあり、一部区域においては、予想を上回って増加していることが伺われる。また、各都心地域おける人口の推移を見ると、都心地域における人口が、微増又は横這い状況にあることが分かる。
また、今後の開発計画について、都心居住という観点からみた場合には、都心に位置づけられているJR川崎駅西口エリア(計画戸数1,890戸)や鹿島田駅東口側に位置する東芝タンガロイ跡地の下平間周辺エリア(計画戸数2,360)では住宅市街地整備総合支援事業により、新都心に位置づけられている新百合が丘駅西口の万福寺の区画整理事業(計画戸数2,206戸)により、定住人口の増加を図る計画があるほか、マンション需要の増加に対応したマンション建設も行われており、都心人口の増加が見込まれる。