日本財団 図書館


また、表1は大都心としてのバロメーターを示す昼夜間人口比率を示したものである。これからは、夜間人口の方が大きく、昼間人口の流出が顕著であることが伺われる。大都市としてのバロメーターの一つである昼夜間人口比率が、川崎区を除くほとんどの区で100%を下回っていることからは、本市の特徴として、東京・横浜に就業就学や買い物の場を依存する構造であることが伺われ、人々が行き交うまちと言うよりは、ベッドタウン的な要素を色濃く持っているものであると考えられる。

 

表1 昼夜間人口比率

089-1.gif

 

こうした状況からは、首都圏での川崎が就業の場の提供といった機能よりも、居住の場としての要素を色濃く有していることが伺われ、活気あるまちへと変えていくためには、住環境を整備するとともに、都市型産業の育成を推進していくことで、職と住を近接させていくことは重要であると考えられる。

一方で、都心居住の必要性は、単にバブルがもたらした一過性のものでなく、今後の都市のあり方に関する基本的な課題であることが指摘されるようになってきた。こうした議論は、都市計画の観点、社会学の観点、経済学の観点など、様々な視点から行われているが、概ね以下の4点に集約されよう。

1] 都心部における地域社会のあり方の視点

防犯防災、スラム防止など

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION