出典) The National Election Study (Lawrence, 1997, p.129から引用)
こうした広範な調査データの解釈は非常に難しい。すでに示されているとおり、マクロレベルでの認識は必ずしもミクロレベルには反映されない(たとえば、アメリカ市民が、議会に対して低い評価を持ち、地元選出議員には極めて高い評価を持つのは非常に一般的である)。質問が一般的になればなるほど(表5.16と表5.17の質問は、実際非常に一般的である)、「結果」を特定のひとつの影響か複数の影響に帰することに確信を持つのは困難である。全般的な見方における変化を、政治行政システムにおける変化の特定の組み合わせに帰することができるのは、非常にまれなことである(実際、ほとんどの市民は、行政改革プログラムの存在をほとんど知らない)。
結局、したがって、システムの改善を評価する際の主たる困難は二つになる。第一に、実質をレトリックから切り離す必要があるが、これを区別するのは簡単ではない。政府の文書やスピーチの多くは、いくつかの国において、様々な「システムの転換」を主張してきたが、厳密な経験的研究でも、実際に旧システムと新システムとの間には高度の継続性があることを示しているに過ぎない(たとえば、アメリカ合衆国のNPRに関しては、Ingraham, 1997; 1980年代末から1990年代初期のイギリス保守党政権の分権改革に関しては、Pollitt, Birchall Putman, 1998)。言葉と行動間によくあるこれらの相違については、第7章と第8章で、さらに論じる。