出典) Listhaug and Wiberg, 1995, pp.304-5に引用されているEuropean Values Survey, 1981, 1990
注) フィンランドについては、1990年のデータは存在しない。
表5.15は、1981年と1990年―フランス、オランダ、ドイツ、スウェーデンおよびイギリスにおいて広範にわたるパブリック・マネジメント改革が行なわれた10年間であり、またフィンランドについては10年間の最初の年のみ―の特定制度に対する公衆の信頼度の変化(横一列)を示している。もし公務員に対する信頼は改革の量によって決まったと単純に考える人なら、イギリスに最高点をみることを期待するだろうが、他のすべての国を除いて、ドイツが高い。意外ではないが、この構図にはこのように何の意味もない。実際、ドイツがもっとも大きな伸びを示し、大多数の国は、イギリスを含めて、公務員に対する信頼を著しく下落させている。様々な国が異なる位置からスタートしたことは明白である。1981年には、フランスの公務員は回答者の53%の信頼を集めていたが、オランダではわずか35%でだった。
むろん、確かに、どんな質問が提示されたかで左右されるところは大きい。公務員について市民に質問することは、地元の消防署について尋ねたり、あるいはゴミ収集サービスに何らかの改善があったことに気づいているかどうかを尋ねるのとは同じではない(この件もまた、次章でもっとよく論じる)。公務員について尋ねる代わりに、民主主義が稼動する方法に満足している程度について尋ねるよう質問が変更されると、表5.16に示されているような回答になる(これは、1980、1990、1994年の3年分のデータである)。
このユーロバロメーターの調査から、いくつかの意外な傾向がわかる。ここでは、ドイツが、改善を示した小数の国の一つではなく(表5.15に示されるとおり)、満足において相当の下落を記録した唯一の国となっている。フランスは、それとは対照的に、顕著な増加を示しているが、イギリスはまあまあ安定している。
だいたい同様の調査質問が、アメリカ国民になされている。表5.17は1958年からの調査結果―かなりの変動の歴史で、際だって強いパターンは見られない―が示されている(1966年の評価は省かれている)。