職業的価値は、仕事の性質と省庁内サークル内の戦略的位置に密接に依存している。したがって、職業的価値は進化するかもしれないし、訓練によって向上するかもしれない。しかしながら、これらの価値の転換は、公務員が持つ行政と政治的領域の間の関係や、みずからの職業的成功を決定する社会的価値の順位についての包括的な考え方を修正するほど大きいことはありえない。行政改革を通じて公務員の社会的価値を変えることはできない。こうした変化は、職業外の資源を必要とする…。(Rouban, 1995, p.51)。
この線の解釈は、多くの行政管轄体で、なぜ公務員の「顧客」に対する態度―たとえば―を変えることができそうにみえるのかを、しかし、それほど多くはないが、政治家への不信感や公共サービス内のMTMの利益に対する疑念のようなその他の態度を説明するのに役立つかもしれない。ルーバンは、認識された行政改革の正統性はヒエラルヒーの上下によって様々であり、上級公務員が変化それ自体の過程を支配し続けている限り、通常は上級公務員において最高となる。この改革に付着する変数の発見は、職階と地位に相関しており、他の国においても、また、折り重なる。過去10年のマネジメント改革についてのオーストラリアにおける1992年の評価と連携して実施された職員の大規模調査は、異なる職階の公務員は改革の有効性と影響における信条について非常に異なる程度を示したという証拠を見出した(Task force on Management Improvement, 1992)。
5.5.4 システムを信頼するか
システムの変化に期待される結果の一つは、政治に対する市民の信頼の水準低下を反転することである。このことは、たとえばアメリカ合衆国の1995年予算関連文書の中で明白に述べられている。NPRを引用する同文書の見出しの一つは、‘結果とサービスを通じて公衆の信頼を再構築すること’であった(Executive Office of the President of the United States, 1995, p.158)。つまり、無遠慮に言うなら、本書の別の部分で記述した多くの改革のすべては、みずからの政府をもっと信頼し、公共部門組織が、様々なニーズに対して、利用しやすく、信頼でき、確実かつ能率的であり、思いやりがあると信じられるように、公衆に対して説得したのだろうか。
またしても、明確で単純な答えはない。市民のマネジメント改革に対する態度に関するいくつかの証拠は、次章において検討されるが、ここでは、公共部門改革をプログラムの中心に据えようとする政治を好む世論の広範な国内・国際的な変化があるという指標は今のところ何もないとだけ言っておけば十分だろう。一例として、我々は、制度に対する公衆の信頼に関心を持つ「ヨーロッパ価値観調査(the European Value Survey)」の発見を調べる(Listhaug and Wiberg, 1995, pp.304-305)。