出典) Rouban, 1995, p.33
5.5.3 システムの文化的変化
文化的変化を評価することの難しさは、その変化が大きくなくとも、大規模な構造改革を評価する難しさよりも大きい。組織文化は組織の実績に相当の影響を与える可能性があるということは少しも疑問はないが、実際に影響を測定し、何らかの好ましい方向へ文化を再編していく方法を知る仕事は、落とし穴や問題で満ちている。
事実、システムレベルでの文化的変化についての結論に対する経験的基礎は、非常に弱い。研究者が時代ごとの態度や信条の広範な変化を測定できる研究の数は実に少ない(文化の変遷を完全に確認するには不可欠)。限られた数しか存在していない労作の大半は、ある単一の時点での測定であり、その結果が文化的変化について意味しているものについての仮説を立てている(Rouban, 1995; Talbot,1994)。
それでも、こうした枠組みは、マネジメント改革が文化的変化を生み出すという主張を何らかの光を当てるのには役立つ。1993年の末に行なわれたイギリスの公共サービスにおける3,800人のマネジメント責任者の調査は、変化を受け入れ起こそうとするマネジメント責任者の意識が著しく高かったことを示しとている。マネジメント責任者の変化に対する態度は、現実に起きた変化に広く一致している。だが同時に、「40%以上のマネジメント責任者が政治的影響に対処するための支援されることに不適当さを感じて」おり、「回答者の3分の1は、今後5年以内に公共部門を辞めようと考えている」(Talbot, 1994, p.5-6)。ここでのメッセージは―当然他の職種の職員はいないのでマネジメント責任者の間―態度における現実の変化は進行しており、この変化のいくつかの側面はネガティブなものがあると見られることである。1989年に行われたフランスの公務員の調査は、職業的価値とより広い社会的価値との間に興味深い区別を引き出せた。この調査は以下のように結論づけられている。