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表5.8 1960-90年のスウェーデン公共部門における政策分野別生産性(%, 年間費用比)

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出典) Swedish Ministry of Finance, 1997, p.25-6

 

表5.9 1960-90年の国防を除く中央政府における生産性動向および公共消費の変化率

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出典) Swedish Ministry of Finance, 1997, p.36

 

一般に、膨大な量の生産性データがそこら中に転がっているかのように言われているかもしれないが、詳細に調査すれば有効性および/もしくは信頼性の疑わしいものが多いことがわかる。この興味深い例が、ボインの、アメリカ合衆国地方自治体の外部委託の考察に見いだされるかもしれない。こうした外部委託は生産性を高めると広く信じられているが―それに、こうした成果は過去の研究によって正確に指摘されているという事実にもかかわらず―ボインはこの説の論拠となる証拠に、方法論およびその他の弱点を多数発見した。彼は「外部委託についての公共選択という仮説は、経験的証拠によって直接支持されないし、傷つけられることもない」と結論づけた(Boyne, 19984, p.82)。

 

国有企業の民営化―生産性の変化がもっともよく透けて見えると期待される分野かもしれない―でさえ、かなりの議論を惹起した。民間への所有権の移転は、それ自体たいした違いを生むものではなかったように見える。問題の法人が民営化されたにせよ、依然として官の所有に服しているにせよ、生産性の便益が大きいのは競争の強化と密接に関連している(Naschold and von Otter, 1996, Ch.3)。

 

 

 

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