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1960年から1990年代にかけてスウェーデンの公共部門全体を対象に行われた生産性の調査において、ある専門家は、以下のように、結論している。「パブリック・マネジメントの改革は必要だが、それだけで行政により多くの金銭的価値を生み出させることはできない…。効率を高めていくためには、公共予算を厳重な管理下に置く必要がある」(Murry, 1998)。しかしながら、この例は入力の支出削減にとどまらず、生産性の分野に話が及ぶので、以下の5.5.3においてもう一度、もっと詳しく取り上げる。

 

表5.2 中央政府純貸出額(%, 対名目GDP)

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原注:純貸出額は、しばしば政府赤字(-)、もしくは黒字(+)の尺度だと言われる。

出典)analytical databank, OECD

 

表5.3 中央政府総公共負債(%, 対名目GDP比)

104-2.gif

出典)analytical databank, OECD

 

表5.2は「支出削減」の問題に関わる第二の展望を示している。同表に示されているのは、1980年と1990年の政府の純貸出額とその1999年予測である。純貸出額は、時に、公共部門の赤字の指標として用いられる(マイナス額が大きければ大きいほど、赤字は大きい)。

 

純貸出額にはさまざまな実態が見えるが、全体的な趨勢は有効であるように見える。1980年、9ヶ国のうち7ヶ国はマイナスの数字を記録しているが、1999年の予測では10力国のうち4ヶ国のみである(1980年は世界的な不況が始まった年、1999年は好況が継続するものと思われている年である)。

 

 

 

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