出典(Lijphart, 1984, p.219)
それゆえ、政権の形態は改革のプロセスにおける、いくつかの段階で、変化に影響を与える可能性がある。第一に、それは、改革プログラムに着手するために生み出される力の程度に影響を及ぼす。第二に、ひとたび改革が達成されると、その改革の安定性に影響を与える可能性がある(一党に立脚した刷新は、相手方政党が権力を奪還すると覆されるかもしれないので、合意主義の刷新の方が寿命が長い)。第三に、改革の方法の「所有権」の意味が影響を被るかもしれないということにある。改革は多数により支持され合意された政治的意見から発生したとみる限り、改革の所有権は改革を実行する官吏の間で正統性を持つかもしれない。しかしながら、ある特定の改革が政党もしくは団体の空理空論的な手段だと認められた場合、官吏は憤慨し、その改革を敵対する不当な要求とし、可能な限り遅らせたり弱体化したりできるものとし、「所有権」を引き受けるのに抵抗するかもしれない。図2.1については、それゆえ行政府の性質(E)が好ましさと実現可能性(I、J)の展望のみならず、一式の改革の内容(M)や実現の過程(N)、そして最終的に達成される改革の範囲(O)にも影響を与えるかもしれない。