日本財団 図書館


019-1.gif

 

何人かの傑出した現代社会学者は、継続する「改革」を、現代以前には(たいていは検証されたことがない)伝統を素早く把握することが重視されたことと比較して、現代生活の中心的な特徴と見る。「現代社会生活の自省は、社会慣行が、そうした慣行自体について流入してくる情報に照らして絶えず再検討され、改革されており、それゆえ本質的にその特徴を変えるという事実にある」(Giddens, 1990, p.38)

 

それゆえ、行政の構造と過程は、ものごとがいかに推移しているかについての新鮮な情報に照らして、絶えず改正されていると言えるかもしれない。それでも、これほどまずい表現をしたにせよ、この主張はあまりにも直截に経験主義的であり、あまりにも露骨に機能的である。われわれは、「流入してくる情報」が必ずしも直截である必要はなく、これを解釈する方法やこれに沿って行動する方法も必ずしも直裁である必要はないという、多くの論者が表明している意見に賛成である。

 

政策の改革は…象徴的に熟考された変化の過程であり、それを理解しようとするなら、行動に動機を与える理由を明らかにするより他にない。それこそが、実行上の問題を多少なりと解消するための努力を支配するものだからである…政策改革の要求は、ものの見方から生まれる。ということは、それらは判断の主張を評価するための規準を提供する、体系的に語られる仮定なのだ(Dunn, 1993, pp.259, 270)。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION