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NGO Yayasan Wisnu

 

面会者:Mr. I.B. YOGA ATMAJA

日時:2000年10月17日

担当者:名取、三木、Ari Tamat

 

■WISNUの活動

○現在、Wisnuが行っているワークショップには5つの村が参加している。

○各村が経営できる観光で、最適なものを議論している。

○これまでは、バリに地域社会ベースの観光というものは存在しなかった。政府で提言はされていたが、単なる宣言に過ぎないものであった。

○当財団ではこれまでの成果(資源など)と、地域環境への影響を考慮して、どんな観光が実現可能かを考えている。

○そのほかに、河川環境改善のワークショップを取り組んだこともある。

○当初、Eco-Tourismに注目していたが、運営の良くない事業者も参入してくるので、今ではPeople-Tourismというコンセプトを掲げている。

 

■観光を検討するに至ったきっかけ

○地域の開発計画の作成プロセスで、村民が主体となっておらず、離れた存在となっていたため、村に権限が必要と感じ、財団が取り組みを提案した。

○当初、財団から村の伝統組織(伝統村)に声をかけて、村々で適任者の選出を行い、その人々がワークショップに参加している。

 

■ワークショップの役割

○観光の検討を行う活動を始めて6ヶ月になるが、この1年目の目標は、計画する能力を村の人々が身につけることであり、現在、それに取り組んでいる。

○ワークショップ活動は、5つの伝統村について取り組んでおり、各村は各々200-300世帯、800-1000人規模である。(5つの伝統村:Tenganan, Palaga, Beloksidan, Sibetan, Ceninganであり、以前より観光が存在していたのはTengananだけであった。)

○全員の集まるワークショップは、半年に1回開かれている。(村々では毎月1回ワークショップが開催されている。その結果は代表者によりWisnuに報告されている。)

○ワークショップでは、各伝統村のプランだけでなく、共通して必要な政策を扱う上位計画を作成している。

 

■ワークショップの成果

○ワークショップを始めてから、財団と村々の結びつきが強くなり、今ではパートナーの関係になっている。

○また、ワークショップの検討結果は、村々に報告している。

 

■ワークショップ運営上の課題

○特に問題に感じていることはない。

○政策なども伝統村でも十分に話し合って来ているので、全員満足し、指示されている。

○ただし、これまでインドネシアでは30年間ずっと、すべてのことがトップダウンで行われたことに慣れてしまっている。そのため、自分たちで考えることがなかったことが問題である。

○まだ、財団の活動が世間で十分に知られていないために、他の村などからの要請やニーズは分からない。

 

■今後の予定

○村によって対応は異なる。

○財団としては、あと2年で自立して、観光事業を村が独立して行えるようにしたいと考えている。

○計画としては、以下のように3年で財団の支援を終えることを考えている。

1] 1年目に、村々のプランを作成する(このとき、トレーニング・能力開発を行う)。

2] 2年目に、財団はサポートに回る(推進主体は各村とする)。

3] 3年目には、村々が自立して運営できるようにする。

 

 

 

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