元観光芸術文化省パリ事務所長 Luther Barung氏
面会者:Mr. Luther Barung
日時:2000年10月13日
担当者:西村、名取、三木、Ari Tamat
※観光芸術文化省は地方分権の推進に伴い、2000年に廃止された。現在は、バリ州観光局がその役割を担っているとのことである。
■バリ島の観光について
○バリ人の考え方やホスピタリティ(?)は、すべてバリの文化に基づいている。
○バリではヒンズー教の影響が強い(一方、その他のインドネシアの地域ではイスラム教の影響が非常に大きい。)
○全てのバリ人は、彼らの文化は維持され、観光により非常に幸福になったと感じている。バリ島では80%の人が直接的に観光に携わっており、残りの20%は農業や日常生活関連の業務に携わっている。
○バリでは、宗教的に意味あるところなどは開発や観光客アクセスから保護されている。
<KUTAやLEGIAN>
○ただし、海岸部のKUTAやLEGIANは、夜間は外国語の看板ばかりで、インドネシア語のものはない状態である。
○オーストラリア人、日本人などがサーフィンやマリンスポーツなどをしにやってきている。
<UBUD>
○UBUDではKUTA等のような状態ではない。
○ずっと芸術活動が盛んであり、彼らの文化は受け継がれている。
○外国人はKUTAよりは少なく、小規模な超高級ホテルが立地している。
■バリのコミュニティについて
○バリにはバンジャールというコミュニティ組織がある。会合をひらく場所もさす意味で、バリに古くから存在する特殊な小さい組織体である。
○かなりの頻度で催され、集落の世帯主が集まり、村の規則を決めたり、生き延びるのに必要なことが話し合われる。
■行政組織について
○インドネシアでは、「中央政府─州─地方自治体」という構造になっており、「地方自治体」で、観光促進政策立案、マーケティングプログラム作成・実践などを行っているが、全ての自治体に観光担当がいるわけではない。
■バリでのトラブルの解決法について
○星付きホテルは外部資本保有であり、星無しホテルはバリ人保有となっている。この2者でしばしば摩擦が生じる。その場合も、バンジャールで議論され、いかにして解決するかが話し合われる。(バンジャールはその地域に所在するものが自動的にメンバーとなるので、外から来たものもメンバーとなる)