インドネシア観光文化省
面会者:Mr. Acep Hidayat, First Deputy Minister of Tourism and Culture
Mr. Turman Siagian
日時:2000年10月13日
場所:ジャカルタ・観光文化省
担当者:西村、名取、三木、Ari Tamat
観光行政体制の変化
・インドネシアの政権交代と地方分権の動きのため、中央省庁の再編成が次々と行われてきた。前政権時長く観光行政を行っていた省庁観光郵政通信省は、新政権の下に観光芸術文化省、そして現在の観光文化省に名前が変わった他、その構造も次々と変わってきた。地方分権の流れで、2001年度よりは中央政府は国防など5つの行政分野のみを行い、その他は全て地方自治体の行政下で行うことになる。
観光政策における課題
・今までは観光からの利益が社会全体に及ばず、不平等に分配されてきたこと、そしてアジアの経済危機が社会に大きな経済的影響を及ぼしたことを懸念している。インドネシア政府は、コミュニティーの生活福祉向上・収入向上のため観光に大きく期待している。
新たなる考え方
・今後インドネシア、特にバリ島では観光が地方発展のエンジンになることを期待する。しかし、WTOが発表した「Global Code of Ethics」にも基づき、観光は地域社会にも利益を与えるべきと考え、観光事業者・経営者は利益のおよそ10〜15%を地域に提供することを期待している。これはいままでとは違い、「Community-based Development」であると言える。
・例・ジャワ島のボロブデゥール遺跡:「ボロブデゥール観光公園」の入場料は全て経営を行う国営企業の収入となる一方で、地域住民のお土産店等が厳しく規制されてきたので住民が不満を訴えるなど問題となった。
新型ヴィレッジツーリズムの試み
・現在観光文化省が取り組んでいるのは、「ヴィレッジホームステイ」を援助するプログラム。その考え方は、観光客と地域社会の人間レベルでの交流を促進することである。観光客は民家もしくは村営の施設で泊まるホームステイ方式を主に考えているが、外国人観光客が宿泊するため、民家の改善・施設の整備などに必要な資金は政府が援助する予定。パイロットプロジェクトをインドネシア全国の10〜15カ所の村(バリ島に4カ所、ジョグジャカルタに2カ所含む)に2001年度より実行される予定。このプログラムに、政府が60億ルピアを出す他、世界銀行や国連開発機構も資金を提供する予定。
エコツーリズムの推進
・エコツーリズムに関して、中央政府・環境省は2000年10月、Agenda 21の政策を制定されたばかり。その中にサステーナブルツーリズムの重要な一環としてエコツーリズムが位置づけられる。既に、西ジャワとカリマンタン州で行われている。