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こうした高齢者や障害者のニーズに応えるためには、観光地のバリアフリー化は避けられない。バリアフリー観光を取り組む地域の中でも岐阜県の高山市が他の地域よりも一歩進んでいる。市民と旅行者が共存する町をつくろうとしている。市はこれからの目標を「生活併存型福祉観光都市」と設定している。即ち、旅行者が行政サービスの連帯受益者となるような、高いレベルの福祉の充実を観光活性化を併せて達成しようとしている。

高山市は「福祉観光都市」づくりを目指して、地域の問題点を取り出すために、1996年から飛騨高山観光客誘致東京事務所が中心となって、障害者・高齢者を招いてモニターツアーを8回にわたって行っている。旅行の後にはアンケートを取り、そこに書かれている要望を一つずつ実現している。

高山市では主に、道路の段差解消、車いすトイレの設置、暗渠(あんきょ)蓋の設備、車いすの貸し出し、福祉バス「のらマイカー」の運行、福祉タクシー運行、車いすおでかけマップ」発行、「おもてなし365日」発行などを行っている。

高山市の未来は、「福祉観光都市」として、行政、観光関連事業者・従業員、地域住民の連携によって、地域住民、観光客が一緒に満足する都市になるだろう。

 

 

 

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