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神農架林区政府が決定したところによると、国内外に向け神農架をアピールする手段として「“野人”探検旅行カード」を発行し、このカードを持って探検旅行に参加すると“野人”捕獲で50万元、死体発見で5万元、写真撮影で1〜3万元、糞や毛髪発見で1万元の賞金が手に入る、とのことである。このカードは限定1万枚発行。向こう2年間有効で、一枚500元。神農架観光施設を利用する際に、割引になるなどの特典もあるという。早い話が、このカード無しでは“野人”を発見しても報償はもらえないということである。一枚500元という値段は、下手をすれば農村部の中国人の平均年収以上になる。最初から都市部の金持ちをターゲットに絞った商法であると言えよう。

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“野人”の着ぐるみも現れるなど、にぎやかなスタートである[写真7]]。初日ということで、地元のテレビカメラも何台か来ており、来場者も多かった。展示内容は、私が神農架の自然博物館や「神農架“野人”夢園」で目にしたパネルなどがほとんど[写真8]]。おそらく、使い回しなのだろう。それ以上に、神農架の特産品即売コーナーや、産業紹介のコーナーに力が入っているとの印象を受けた。展示場の隅では、『神農架投資指南』というA4版オールカラーの冊子が無料で配布されており、それには神農架の自然紹介と、現地の企業についての詳細な説明がされていた。全文、英文併記という念の入れようだ。また、巻末には投資項目が列挙されており、建設規模や投資額、連絡先などが丁寧に書き添えられていた。

 

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[写真7]] 同博物館前“野人”着ぐるみと

/1998年12月28日梅木紀任氏撮影

 

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[写真8]] 同博物館内部

/1998年12月28日筆者撮影

 

 

 

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