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3 自主分離通航帯周辺海域における衝突海難事例

自主分離通航帯周辺海域において発生した衝突海難について詳細にその状況を把握するため、海難審判裁決録より平成8年10月から平成11年9月までの過去3年間に裁決された衝突事例について、その衝突位置、原因、概要等につき調査を実施した。なお、ここでは漁船、プレジャーボートなどの水域利用の目的が般の通航船舶と異なる船舶同士の衝突海難については対象としないこととした。また、対象範囲は要救助海難発生状況(2.1対象海域参照)について調査した際の海域と同様である。

 

3.1 過去3年間において裁決された衝突海難

過去3年間において裁決された衝突海難件数を海域別に表3.1に示す(括弧内の数字は他船が漁船の件数)。また、海難件数のうち自主分離通航帯内において発生したものと自主分離通航帯出入口付近で発生したものを分類して同表に示す。

なお、過去3年間に裁決された衝突海難の詳細は表3.2に覧にして示し、また、各衝突位置は海域別に図3.1〜図3.4に示す。

○ 表3.1より過去3年問における衝突海難の裁決数は全海域で22件あり、東京湾口から神子元島沖海域と伊良湖岬、大王埼沖海域においてその件数が比較的多い。

○ また、さらに海域を絞ると大王埼沖海域が6件で最も多く、次いで東京湾付近の海域で5件の衝突海難が発生している。

○ 大王埼沖の衝突海難は要救助海難の統計において比較的発生頻度の高い海域でもあったが、この海域では自主分離通航帯内において衝突海難が発生している(3件)。

○ また、自主分離通航帯出入口付近の海域で発生した海難は、他の海域においても見られ東京湾付近では2件の衝突海難が発生している。

 

表3.1 衝突海難裁決数

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※( )内の数字は相手船が漁船の例

 

 

 

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