2.3.3 衝突海難の見合い状況
全海難に対する衝突海難の発生隻数、割合等について表2.11および図2.6に示す。
衝突海難の発生状況は1997年における伊良湖岬、大王埼沖海域の割合が最も高く全体の約5割(13隻、44.8%)を占める。過去3年間をとおしても伊良湖岬、大王埼沖海域での衝突海難の発生隻数は他の海域に比較して高く3年間で25隻が記録されており、次いで多い剱埼〜神子元島沖海域では12隻が記録されている。
そこで、発生海難のうち衝突海難に着目してその時の見合い状況について整理して表2.12に示し、また、海難発生時におけるレーダの使用状況について表2.13に示す。
○ 表2.12より伊良湖岬、大王埼沖海域を除く他の海域では比較的横切り関係による衝突海難が多く占めるが、伊良湖岬、大王埼沖海域では行き会いよる衝突も多く、両者で全体の約半数を占める。
○ 表2.13よりどの海域においても“装備なし”の割合が高く、とくに目ノ御埼では約9割(88.9%)を占めているが、これは衝突海難の対象となった全船が漁船、プレジャーボートであったためである。他の海域についても同様に衝突海難の7〜8割は漁船、プレジャーボートであるため、レーダ機器を装備していない割合が高くなった。