I. 調査概要
1 調査目的
(社)日本船長協会において設定された日本沿岸海域の「自主分離通航方式」は、昭和45年(昭和61年改訂)に主としてアンケート調査に基づき設定されたもので、今日では多くの船舶にその設定意義が理解され活用されるようになった。しかしながら、改訂後、十年以上が経過している現在において、当時の設定内容が現状の交通実態とそぐわない部分も出てきている。
近年における実態観測手法もレーダ機器等の発達や解析手法の確立に伴い精度の高い解析データを得ることが可能となっている。そこで、このような観測手法等から現状における自主分離通航水域の航行実態を把握し、現行の自主設定分離通航方式をより実情に即したかたちに見直し、多くの船舶が活用できる設定意義の高いものとすることを目的とするものである。
2 調査概要
2.1 海難調査
自主分離通航方式周辺海域において、過去に発生した海難の状況および特徴を調査することとする。
2.2 船舶航行実態調査
本調査では、過去のプロジェクトで実施されていない大王埼沖における船舶の航行実態の観測調査を行うこととする。
3 調査方法
学識経験者、海事関係者等で構成する「委員会」を設けて、委員会の意見を聴取するとともに、その指導・助言のもとに実施する。