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外国招聘者と行政相談委員との意見交換会

 

日時 平成一二年一一月一五日(水)

場所 福岡市「アクロス福岡」

 

九州管区行政評価局首席行政相談官 松木 義幸

 

当局は、「行政苦情救済・オンブズマン福岡フォーラム」の一環として、平成一二年一一月一五日(水)に外国人招聘者(オンブズマン)と行政相談委員との意見交換会を開催しました。

当日は、カナダ・ケベック州のオンブズマンであり、国際オンブズマン協会の事務局長に就いておられるダニエル・ジャコビーさん、鎌田全相協会長、坂本広相協会長、福岡県内の八人の行政相談委員に加え、堀江官房審議官、浅井管区局長が出席しました。

浅井局長の司会により、出席者の紹介、坂本広相協会長の挨拶の後、苦情の受付けの現状や課題等について意見交換が行われました。中村委員及び岸本委員からは、公共施設を利用して「ミニ一日合同相談」や「定例相談」を行っているが、住民のより利用し易い場所や時期等を考える必要があるとの意見がありました。これに対してジャコビーさんから、ケベック州では相談窓口はケベック市及びモントリオール市の二箇所のみであり、日本のようにいろいろな場所に相談窓口を設けることができないかと考えていますとの説明がありました。

また、小島委員からは、広報誌に委員の氏名、住所等を掲載したところ、ストーカーまがいの嫌がらせを受けた、相談を受ける側の安全にも配慮の余地があるとの意見がありました。これに対してシャコビーさんから、行政相談委員についても個人のプライバシー等の保護方策について検討する必要があるとの意見がありました。

次に、効果的な広報活動について意見交換が行われ、原委員からは、ポスター等で委員制度の周知に務めているが、なかなか行き届かないとの意見がありました。これに対してジャコビーさんから、ケベック州では、オンブズマンの活動状況や改善内容等を定期的にテレビ等で全て公表し、住民に周知している。このことがオンブズマンの質の向上に繋がるものであるとの意見がありました。

丸山委員からは、各種会合等で委員制度の周知に務めているとの説明かありました。これに対してシャコビーさんから、女性の方がよりクリエイティブに想像力や創造性を発揮できることから、オンブズマンスタッフの女性の構成割合は七五パーセントであるとの説明がありました。

続いて相談事案の受付け、処理の仕方について意見交換が行われました。江崎委員からは、「仕事場での女性差別の解消を図ってほしい。」との女性からの申出事案を踏まえ、男女差別の現状についての意見かありました。これに対してジャコビーーさんから、カナダでも男性の心にまだ厳然とあり、男女の給与を平等にする法律か制定された等の説明がありました。

また、岡崎委員からは、行政手続きのワンストップ化を図る必要があるとの意見がありました。これに対してシャコビーさんから、行政機関と行政相談委員との有機的なネットワークづくりが大切であるとの意見かありました。

最後に、堀内委員から、行政相談委員法第四条の意見具申制度は、苦情の迅速な解決に繋かっていくものであることを実感している意見がありました。これに対してジャコビーさんから、問題の根源に働きかけ改善していくこのような制度こそ私が昨日のフォーラムで話したシステミックな介入であるとの説明かありました。

意見交換会終了後、ジャコビーさんから有意義な意見交換ができ、参加できたことを感謝している。また、行政相談委員からは今後の活動に大いに参考となった。機会があればまた開催してほしいとの意見が出されました。最後に、参加者全員の記念写真を取り、盛会の中に終了しました。

 

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