出所) 介護保険市民オンブズマン機構・大阪「設立のためのコンセプト・シート」、大阪地方自治研究センター政策資料No.48『アメリカの介護オンブズマン養成プログラム』
(4) 特色と課題
介護保険法の規定では、介護サービスに不満がある場合、利用者は市町村の相談窓口や居宅介護支援事業者を通じて、あるいは直接に国保連や介護保険審査会に苦情を申し立てることもできる。しかし国保連や介護保険審査会は各都道府県に一カ所しかなく一般になじみも薄い。また、これらの機関では法令や基準に違反していないケースなどには介入しにくい。要介護認定などの大きな処分について苦情申し立ての仕組みを整備することはもちろん必要だが、行政処分性のない事実行為としての介護サービスに関する日常の小さな苦情や要望をくみ取ることが非常に重要である。
介護保険制度が定着していくに従い、実際にはほとんどの苦情は利用者に近い市町村窓口に持ち込まれることになると思われる。市町村がすべての苦情や相談に対応しきれないことは明らかであり、本稿で紹介したような第三者機関、市民オンブズマンなど、苦情相談窓口の選択肢が増えることは、利用者にとってよいことである。また外部の目が入ることは介護サービスの質を高めることに資する。