日本財団 図書館


(2) 「福祉オンブズパーソン制度」の導入 ―牧方市―

平成12年4月に枚方市は、第三者機関が公正中立な立場から保健福祉サービスに関する苦情を調査し、必要に応じて市に対して意見表明・制度改善の提言を行う「福祉保健サービス苦情調整委員」、通称「福祉オンブズパーソン制度」を発足させた。この制度は市の「高齢者保健福祉計画」「障害者基本計画」に示されており、「枚方市保健福祉サービスに係る苦情処理に関する条例」を根拠としている。

条例や要綱に基づいてオンブズマンを設置する自治体は増加傾向にあるが(平成12年5月8日付日経新聞によれば、これまでに全国22の自治体がオンブズマン制度を導入している。このうち7自治体は福祉や子供の人権など、専門分野に特化した相談機関を設けている。)福祉を対象としたオンブズマン制度は全国で5番目、西日本では枚方市が初めてである。

 

表II2-(4) 自治体が設置したオンブズマン

091-1.gif

出所) 平成12年5月8日付日経新聞

 

ア. 制度の概要

(ア) 福祉オンブズパーソン制度

枚方市の福祉オンブズパーソンは市長の附属機関として、福祉・保健、法律等に関し優れた識見を有する者のうちから市長が委嘱する。定数は2人、任期は3年であるが、再任は妨げない。現在のオンブズパーソンは社会福祉を専門とする元大学教授と弁護士である。

苦情申し立てできるのは、市が行った福祉保健サービスを利用している人、申請してもできなかった人などである。本人だけでなく家族や同居人、代理人が申し立てを行うことも可能である。申し立ての対象となるのは、教育委員会や市が委託している団体の福祉保健サービスも含めて、市が個人に対して行ったサービスである。苦情申し立てのできる期間を既に経過しているもの、裁判で係争中のもの、行政不服審査法によって不服申し立てを行っているもの、本人の福祉サービスに直接関わらないものなどは除外される。介護保険に関する苦情や相談は対象となるが、市役所高齢者社会室介護保険担当に相談することが奨励されている。

枚方市の福祉オンブズパーソンは苦情の申し立てがあったときに調査を開始する。自己の判断で市の行政に対して意見を述べる自己発意権は認められていない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION