国保連合会における苦情処理の流れを、東京都国保連合会の「介護保険に関する苦情処理マニュアル」(国民健康保険中央会作成の「介護保険にかかる苦情処理の手引」をはじめ、各都道府県国保連合会及び都道府県担当部局等による「介護保険制度における苦情処理マニュアル」が作成されている。)を中心に、いま少し詳しくみることとする。
国保連合会で受け付けられる苦情は、本人から直接申し出られるものと、市区町村及び支援業者等を経由して寄せられるものとがある。
「苦情の受付」は、本人(又は代理人)からの苦情申立書の提出(郵送又は持参等)をもって、国保連合会での苦情受付とされるが、原則、国保連合会所定の「苦情申立書」によるものとされている。
「苦情申立書」には、申立人の氏名、利用者名、苦情内容、苦情の原因となった事業者名等、申出事実が具体的に確認されることが必要となっている。匿名による申立ては無責任な申立てが予想されるため受け付けないとされている。また、同じ人が同一案件を同時に複数の窓口にする重複申立や苦情処理結果に対する再申立は原則とて受け付けないこととされている。
苦情の処理期間は、原則として60日間とされ、これを超える場合には、「遅延理由書」により遅延通知を行うとされている。
審理・調査
苦情等の申し立ては、介護サービス苦情処理委員(以下「委員」という。)が審理し、調査の必要性の有無が判定される。
委員は、原則として単独で審理し、調査が必要なものについては「事業者等調査票」が作成される。なお、委員単独による対応が不向きと担当委員が判断した場合は、重要案件として合議により、調査が進められる。
調査が必要とされた案件は、原則として「事業者等調査票」による書面調査が事務局により行われる。なお、必要に応じて事業者の来会による面接、実地調査が行われる。「事業者等調査票」による調査には回答期限(原則として20日間)が付され、調査の進捗管理が行われている。
なお、調査の対象外となる場合としては、1]申立て事案のあった日から1年以上経過している場合、2]重複申立てあるいは申立て結果に対する不服である場合、3]調査途中で、国保連合会の業務範囲外であることが明らかになった場合、4]他の申立者から同様の申し出があり、必要な調査が完了している場合、5]その他調査が困難な場合(事業者が調査に非協力的等)があげられている。
また、重要案件としては、1]申立て対象となっている事業者が、頻回にわたって苦情を申立てられている事業者である場合、2]施設内全体の人権侵害であると思われる場合3]その他委員が重要案件と判断した場合があげられている。