C-2-b アクセスしやすいこと
オンブズマン制度は、市民のためのものである。従って、必要なときは、市民はオンブズマンに簡便かつ迅速にアクセスできなければならない。
市民は、まず、オンブズマンの存在を知らなければならない。オンブズマンは、その存在だけでなく役割や機能を市民が知っており、理解していることを確認すべきである。そのめに、オンブズマンは、広報手段(文書もしくは電子ツール)に頼ることができ、会議やその他社会的イベントに参加することができる。
ケベック州オンブズマンは、また、年次報告書や特別報告書の公開を非常に重視しており、これらの報告書が作成されるたびに、ニュースメディアは数日連続してその概要を伝える。
アクセスが容易であるということは、オンブズマンに対する依頼が自由にできるということである。また、オンブズマンに無料で訴え出ることができなければならないし、オンブズマンは、文書送付の要求など、自らの要求に、市民が対応するにはあまりに負担が大きすぎ、重荷となっていないかどうかを確認しなければならない。
オンブズマン事務局が遠くにありすぎて、市民を締め出す結果になってはならない。電話、メール(郵便及び電子メール)、ファックスによる連絡方法や、地域事務所を設けるか地域を巡回する方法など、多くの方法でオンブズマンと連絡が取れるようにしなければならない。また、障害や個人的状況のせいで市民がオンブズマンに訴え出ることができないようにしてはならない。
アクセスを容易にするためには、オンブズマンに訴え出るための手続きを最小限にしておかなければならない。書面と口頭、いずれの苦情も認めるべきである。オンブズマンとそのスタッフは、必要であれば市民が苦情の内容を言葉で表現するのをしっかりと手助けしなければならない。オンブズマンは、市民がその苦情を友人や家族、専門家に代弁してもらうことを認めることができる。
C-2-c 独立した存在であること
独立した存在である、ということは、オンブズマンの最も重要な特性の一つである。オンブズマンが有効であるかどうかは、その独立性に大きく左右される。独立しているとは主に、オンブズマンが決して州の行政機関に屈服しないし、オンブズマンが管轄権を有する当局の干渉を受けないように保護されていることを意味する。
オンブズマンが州の立法機関の権限の下に置かれたときに最良の独立性が得られる。
あらゆる特性のなかで、独立した存在であるということこそ、オンブズマンが絶えず獲得を目指している特性であり、目標である。オンブズマンは、そうした特性を獲得するため、あらゆる機会を利用し、時として是正を提言するためのイニシアチブを取ることさえしなければならない。
オンブズマンの独立性は通常、それが組織化された時の法により保証されている。これは、法律制定者がオンブズマンに必要な権限と免責を与えるための最適な方法である。