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自分が住む地域でトータルな医療を受けられれば、より速く適切な治療を受けることができます。さらに時間にゆとりができ、子どもの年齢によって大切な体験も可能になると思います。

身体の一部の治療にとどまらす、関連する診療科において、治療内容の連携をもち、情報を密にしていただきたいです。治療や入院も生活の延長線上にあります。子どもの成長にあわせた医療体制や治療方針が整えられていくことを希望します。

行政への要望として、各市町村の窓口の対応が統一されずに、大変戸惑うことがあります。私たちに与えられた権利を行使していくわけですが、例えば紙オムツでは、支給されている市町村、全く制度を認識していない市町村、全額支給されているところ、一部自己負担など、対応が様々です。

また、担当者がたびたび替わることも残念なことです。厚生省から認められた制度をより多くの病児者が利用できるように、各市町村の実態を県があらためて把握し、ご指導いただきたいです。

私どもの会は、同じ立場の方々と共に考え、目標を作り、活動を続けながら現在に至っています。長期の入院、治療の後、子どもが元気を取り戻し、笑顔が戻った時、親としても元気になります。今後もますますの医療技術の進歩を願わずにはいられません。

 

小児慢性特定疾患受給者の医療等の状況について

現在、茨城県内において、小児慢性特定疾患の医療を受給されている方は、1万6千人以上にのぼります。

これまで、医療・保健・福祉が全体として、どのようなサービスの流れになっているのか、実際に受給されている方がどのように感じているのか、十分に把握しきれていなかったのが現状でした。

そんな中、平成9年には、小児慢性特定疾患の医療を受給されている方々の実態調査が国によって実施されました。茨城県においても、今年の7月に県内の状況を把握するために、調査を実施しました。

調査対象は、小児慢性特定疾患のうち、膠原病及び神経・筋疾患で医療券の交付を受けているお子さんの保護者です。制度の認知、医療の状況、親の会についての考え方に関する調査をしました。

アンケートの制約上、今回の回答者は病名を限定したため、数字には若干の特性があると思われます。

1] 診断確定から申請までの期間

申請までに要する期間が3カ月間までのケースが約6割を占めました。中には1年以上の期間を要するケースもありました。診断確定と同時にできるだけ早くサポートが受けられるような体制が必要です。

2] 情報入手先

制度をどこで知ったかとの問いには、9割近くが主治医という回答でした。

3] 受診病院の選択理由

どのような形で病院を受診することになったかとの問いには、医師の紹介が半数以上を占めました。病院が近距離という理由の方は1割程度ありました。

4] 「親の会」について

約半数の方は親の会の存在を知っていましたが、実際の入会率は約2割でした。親同士の交流を希望する方は約半数でした。

医療・保健・福祉はどのような関わりがあるのか、これは大変重要な問題です。様々な要望がある中で、地域として何が必要であるかを十分に検討していく必要があります。県では、特性疾患の方々が療養していく上で、必要となる知識や保健指導の資料を各保健所に配布しています。

情報化社会の中で、もっと詳しく知りたいという要望が年々強くなっています。今後も県民の皆さんの声に応じていく姿勢をもち、少しでも改善していけるように努力していきたいと思います。

 

効率よいケアの実践を

包括医療では、医師が専門領域以外にも脳神経外科、泌尿器科など、幅広く精通していることが必要です。一つの病気を様々な観点から診ることができ、効率良く患者のケアに携われるような体制が求められます。

いつでも医療機関と密に連絡がとれたり、質の高い医療が受けられる病院が自宅付近にあれば、親としては安心できるという声がありました。

今後、情報が有機的に複数の医師やコメディカルの方にも共有でき、より充実した連携が図れることを期待したいと思います。

海外では、インターネットで病気に関する情報を調べてから、外来を訪れるケースが増えているそうです。日本でも同じような傾向がでてきました。情報提供は今後の医療の大きなポイントになることでしょう。

私は、診療してきた患者に対して、情報提供の一環として、親の会の存在を知らせるようにしています。主治医として入会を勧めるのではなく、情報が必要な場合はここに問い合わせる方法もあるのです。

 

 

 

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