このように、専門性を重んじる県の人事、児相を含めた地域全体での里親の活動が、埼玉県の里親発展に貢献してきたということである。
4) 里親制度の今後の課題
平成11年に里親推進事業検討会が出した「里親事業推進のための提言」には、21世紀に向けてあらたな里親事業を推進するための重要な方向や課題について、重要な6項目をあげ、その主旨、課題等について提言している。その中で、里親制度及び里親委託のあり方について以下のように提言している。
その主旨については、社会的養護の機能と子育て支援機能の充実強化と拡大を図る観点から、今後の里親制度及び里親委託の体系については、里親家庭への多様なケアの委託という見地に立つものとする。つまり、児童相談所の措置による里親委託システムに限らず、多種多様な里親による家庭的ケアの体系へと拡大するシステムを検討することが望まれる。
このためには、制度及び委託を円滑にすすめるための行政機関、関係諸機関・団体・施設の積極的な連携が不可欠であり、また里親としての専門性を深めるとともに、広汎なニーズに対応するボランティア性の豊かな里親の確保を図ることが重要であるとしている。