6. 施設側にみられる問題(施設側に里親制度についての理解が十分ではないこと)
7. 里親組織にみられる要因(各里親会組織運営の低調・里親養育の優位を強調する一方で、施設養育への批判が過度になり、そのため本来同じ社会的養護のパートナーであるべき施設養育側との連携や協働関係が乏しいこと)
2] 津崎哲雄氏の視点
津崎(1995)は、児童福祉制度あるいは児童養護制度全体の観点から、わが国の里親委託不振の問題について述べている。まず、児童ケースワーク・児童福祉司・児童相談所の問題から「非常に多くの場合、里親さんが様々な形で失敗をする、不調をきたすことについては、里親さん自身の問題もかなりあるでしょうけれども、それは充分なケースワーカーの指導、あるいはその前の段階として、子どもとある里親とのマッチングの問題について非常に経験を重ね熟練を積んだ専門的なケースワーカーが担当するのであれば、そう単純にたくさん失敗例はないと思うんですね」、「全国の児童相談所の職員に福祉関係を勉強した人をつけるということで採用するところは、ほとんど少なくなってきておりますね。一般事務職員で入ったような人が、ほとんど現任訓練で施設入所とか里親委託をやれということでやられるわけです。