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4. 里親制度の現状と課題

1) 里親数と里親委託児童数

ここまで、理念、歴史、制度等について述べてきたが、実際の里親による養護の現状はいかなるものであろうか。いくつかの報告例から里親数と里親委託児童数についてみていく。

1] 要養護児童に対する委託の状況

表1より、全国の要養護児童の委託先は、平成6年度では、乳児院・児童養護施設入所児童があわせて28,748人であるのに対して、里親委託児童は2,506人である。全要養護児童に対する比率でいうと、前者の施設入所児童数の比率は91.9%になり、里親委託児童数の比率は8.0%になる。里親委託時児童は10%にも満たない状況である。先に述べた、子どもが家庭を持つ権利や、子どものウェルビーイングについて考えてみると、この現状はそれらの理念がまだまだ実現されていない状況にあると考えられる。

2] 登録里親数

1]では、要養護児童の委託先について述べ、里親委託児童数の非常に少ない現状についてふれたが、里親制度が存在するためには何よりも登録里親が必要であり、制度の活性化のためには登録里親数が増えなければならない。

 

 

 

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