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5) 養育家庭の意識と役割

平成11年度東京都養育家庭センター事業報告によると、養育家庭申込みの動機で最も高率を占めるのは「社会のために役立ちたい」(31%)となっている。子育ての負担が叫ばれている昨今、他人の子どもまでも育てたいと思う養育家庭のボランタリズムは貴重である。さらに、職業以外に社会的役割を持っている(持っていた)養育家庭の割合は高く、そのうち9割以上の里母がPTAや子ども会などの役員や活動に関わっている(関わっていた)ことが調査結果から明らかとなった。家庭内での養育の他に、学校や地域における子どもの健全育成を目的とする活動にも積極的に関与している里親の意識は高く評価すべきことである。

養育家庭の役割として最も重要なことは、大人の勝手な都合や社会的弱者の子どもとして被害を受けてきた子ども達に、安心して発達できる人的・物的環境を提供することであることは言うまでもない。しかし、もう一つ重要かつ意義のある役割が養育家庭にはあると考える。

 

 

 

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