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また平成12年度には6名の里子代表が、アメリカで開催された第一回ミレニアムカンファレンス2000(全米青少年里子会議)に参加し、国内における里子会創設に向けた活動がようやく始まったところである。

里子主体の制度として充実させていくためには、次の二点が必要であると考える。

一点目として、里子どうしの交流を通して互いに自由に話せる関係を作ることである。そのことで里子として育ってきた境遇から生じる悩みや共通する社会的困難に対し、自分の抱える問題を客観視できるようになることが期待できる。また自己概念を確立していく青年期の里子にとっては、自らの境遇を受容しながら自立に向けて成長する上で仲間の存在は非常に大きな意味を持つからである。

二点目として、里子の立場からの意見や改善点を里親を含めた大人達に表明できるためには、組織として訴えていくことが有効であるからである。

今後、里親と里子が互いに意見交換や協議を行えるような当事者組織となり、双方にとって養育家庭制度がより良いものになっていくことが重要である。そのためには里子会を各地域ごとに創設し、地域における活動を充実発展させていくことが最優先である。

 

 

 

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