養育家庭に委託された子どもは、今までの養育環境などの影響から様々な問題行動を起こしていることが多い。養育家庭はそのような子どもを養育する中で、子どもが育つ環境上の問題から発達面に歪みが生じることを、最も身近に身にしみて感じることのできる大人である。それらの問題は、放任や過剰な管理的養育が行われている一般家庭においても潜在しており、様々な問題が生じている。それらの問題に対し、子どもが自由に自己の見解を表明する権利を大人は保障する必要がある。しかし現状においては、子どもは保護される存在といった意識がいまだ強い。養育家庭は、子どもの健全育成に対する高い関心とボランタリズムを有し、また自ら社会的養育を実践していることから、高い人権意識を持っているといえる。そのような養育家庭には、子どもを保護される存在から権利の主体者であるという認識に大人側の意識を変革し、また子どもにも自覚をもたらしていくという重要な役割があると考える。