もう一つの機能として、個人的な努力では解決困難な制度上の問題などに対し、組織的に国や自治体などに要望するといった機能がある。調査結果から、養育家庭の相互理解が不十分であったり、養育家庭の交流促進を多くの養育家庭が改善課題として挙げていたことから、当事者としての組織力が現状では弱いといえる。
平成12年12月に東京で「児童虐待防止法施行後・里親制度はこれでよいのか?」というテーマで、現役・OB里親、また制度に関心のある市民らによる緊急集会が開かれ、厚生省に対し「意見・要望集」が提出された。一般市民も参加した集会が開かれたことは大変意義のあることであるが、当事者組織としても国や自治体に対し訴えていく活動の強化が必要である。
さらに、当事者組織は従来里親中心のものであったが、平成11年度から財団法人全国里親会の子育て支援基金事業として「全国青少年里親連合(JYICN)創設支援モデル事業」が行われている。平成11年度には8名の里子代表がオーストラリアで開催された国際里親養育機構(IFCO)第11回国際会議に参加し、諸外国の里親制度の最新の実情を学習すると共に、参加各国の里親・里子等と交流を図った。