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第二に、地域における養育力の低下が顕著な現代において、大人達が「子育て」に関して地域の人々と一緒に考えることのできる機会を設けることは、育児不安の大人達の悩みの軽減や虐待を防止する上でも有効であると考えるからである。

第三に、今後さらに共働き家庭の増加や劣悪な住宅事情、子育ての負担感、未成熟な大人の増加といった社会状況を勘案すると、養育家庭を希望する者の現象が懸念される。そのような中で、いくら養育家庭制度のPR活動を推進しても養育家庭の開拓効果は期待できない。それよりも、地域の人々の養育力の向上をも意図した学習会を地道に行うことが、未来の養育家庭を養成することにつながると考えるからである。

4) 当事者組織の問題

当事者組織には大別して二つの機能があると考える。一つは、他人の子どもを養育しているという同じ境遇の者どうしが交流することで互いに励ましあったり、情報交換を行うといった機能である。調査結果から、この機能に関しては十分にその機能を果たしているといえる。

 

 

 

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