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第一に、研修といった受身的なものから養育家庭主体の参加型の学習会に変えていくことが必要であると考える。養育家庭が学習会の内容に関する企画の段階から運営に至るまで、もっと積極的に関与することで主体的に学習することが可能となる。そして養育家庭センターの役割は、あくまでも予算的援助や学習会の広報活動、また必要に応じて講師の紹介といった側面的な援助が重要である。

第二に、学習会をもっと地域に開かれたものにする必要があると考える。養育家庭の学習したい内容のニーズには養育家庭制度特有の問題もあるが、「子育て」一般に関する内容も含まれる。そこで、参加者を養育家庭に限定ぜず地域の人々にも開放し、一緒に「子育て」という共通した問題を考える場となるよう学習会を運営していくことが重要である。

その理由として第一に、地域の人々が学習会を通して、大人や社会の犠牲となっているマイノリティーな子ども達や、他人の子どもを我が子のように愛情豊かに育てている養育家庭の存在を知る良い機会となるからである。そのためには、養育家庭や元委託されていた子どもらが、自らの実践や体験を喜びや苦しみも含めてありのままの姿で伝えることが、本当の意味での養育家庭制度に対する理解を深め、さらに養育家庭制度の改善に向けての運動の輪が広がっていくことにつながると考える。

 

 

 

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