昨年の九月初め、里子女子三名が仲良く通学している市立中学校の教頭先生から、私の留守中に電話があり、「帰られたら学校へ電話して下さい。」とのこと。通学生が何かやらかしたかな?以前、里子の男子もいろいろご迷惑をかけた事が再三あった事を思い巡らしつつ、教頭先生に電話をした。
「美張(みはり)分教会の杉江ですが…。お小言、お叱りじゃないですか…。」
「実は突然の電話で失礼ですが、他県から家庭事情で母娘が家出し、その娘さんが中学二年でわが校へ通学中なんです。今、児童相談所や区役所、その他で最善策を協議中ですがこれこれの事情から娘さんを杉江先生宅でお世話いただける事が可能でしょうか…。」と恐縮してのお話しぶりであり、
「もし私どもでお役に立つのでしたら、いつでもお受けいたしますから…。」愛妻や家族に何ら相談していないのに、そんな返事をしてしまった。
一カ月後、再び教頭先生より、
「母娘での生活が一応落ち着いておりますので、また何か有りましたらその節はよろしくお願いいたします。」との電話があった。