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(2) 登校拒否

最初の子から四年、短期長期で人の子の出入りがあったが、二人の兄弟は続いて居てくれてる。我が子の一人と兄のA君とは何故か中学三年間同じ級で、高校へも同じ志望校へ合格して、自転車で元気に通い出した一学期の終り頃、学校からの電話を受けた。

「N君どうして居られますか?」

「? 今日も元気でA君と一緒に学校へ出かけましたが…」

「実は、昨日も今日もお休みで、今週は月曜日から一度も出校されて居ないものですから、病気か怪我でもされたのかと思ってお尋ねした次第です…。」

「えっ、一週間も学校休んで…。毎日弁当もカバンも持って、何の変りなく二人揃って時間に出かけ、家へは元気に帰っていますので、少しも気付きませんでした。帰りましたら本人とよく話合って見ます。気付かずに居てご心配をおかけして申し訳ありませんでした。」電話が切れた後、いつもなら頭に来て「何考えているだ。帰ったら思いっ切りとっちめないかんぞ。」と、胸の中のモヤモヤが頭に昇って、カッカッとなるのだが、少しもその気分にならない。

 

 

 

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