だれかに教えてもらったと言う訳でもないのに、日常生活の中で優しさ労り、強さを自然に身に付けてくれたのも、わが家が歴史館であったからではないかと改めて息子と早くめぐり逢えた事を嬉しく思いました。そして、ビデオに出て来る亡祖母、亡両親の顔がとても嬉しそうだったので親孝行できてたんだと一人で泣いてしまいました。一緒に暮らしたのは、4〜7年間という短かい年月でしたが、子供の心に大切な宝物を残してくれたと感謝しています。
それから、私も入学と同時に会社を退職することになり、そして特別養子縁組も終えて、家の長男として入籍しております。里親同士の悩みの一つに真実告知は、大きな一つの壁と思っていました。私もその壁を乗り越える時が小学校3年生の時に来ました。最初私は息子が大人になるまで黙っていようと考えていたのですが、主人は反対でした。「でも尋ねられたらでいいよ!!」と私はこの事に触れるのが恐くてにげていた様に思います。でも、学校に行く様になってからは、毎日その事が心配になり、色々イヤな事を聞いてその内泣きながら帰って来るのではないかと心配して真実告知は、機会があれば早くしようと考えました。ある日、二人でお風呂に入っている時…(3年生の時です。)「お母さん僕ってどこから生まれたんお母さんのお腹の中から生まれたん」と聞かれたのです。