そして婦長さんに、相談したのです。そしたら「お母さんもう少し頑張って会いに来て下さい。この子はとても利口な優しい子供なのよ。今は、一生懸命お母さんを受け入れる準備を心の中でしているので、あと少し頑張って下さい。この人が僕のお母さんと思える様になったら一番大好きな人になると思いますよ。」と言って下さいました。そのお話しを聞いて、私もゆっくり焦らないで、息子の気持ちが自然に私の方に向いて来たら強く抱きしめたいと思ったのです。そんなある日、息子と一緒に近くの海岸までドライブしようと言う事になり、私が「車に乗る」と言ったら「うん」と嬉しそうな顔でうなづいたのです。そして私の手をにぎり車の方へ自分から走って行こうとしたのです。私は嬉しくて一緒になって走りました。それからは、手をつないで散歩したり、近くのスーパーで買物をしたりして面会に行くのが楽しくなり、早く家に連れて帰りたいと思いました。その念願がかなって平成4年9月私達の家族に平成生れのかわいい男の子が一人増えたのです。息子が玄関を開けるなり「ただいまあー。」と大きな声でみんなに言った事。まるで旅行から帰って来た子供みたいでした。