父親として二人の性格を見ていると、二人の性格、資質等あまりにも違いすぎそれぞれ最善の高校選びに真剣に取り組む必要性を痛感していた。しかし目の前の大きな問題は、二人共あまり勉強しなかった事だ。幸いやっと高校進学を決めたようなので、残った十ヵ月間、二人に懸命の努力をさせてみる必要がある。親として惜しみない協力をするべきだと判断し、早速二人を特訓して下さる先生捜しを始めた。
受験までに残された十ヵ月間に全てを掛ける二人のため、この特訓の先生捜しは妥協を許さず厳しい目が必要だった。そして、五月から立派な先生に週四日間来ていただく事とした。厳しい日々が続き、二人の成績は序々に上っていった。そして受験校を最終的に決定すべき三者懇談の頃には、Bはかなり上位の成績となった。彼は友達が工業高校へ行くので自分も行きたい。といったが、文系のトップクラスにある彼には、将来の進学も考慮に入れ普通科高校を担任の先生も進めて下さり、しぶしぶであったが納得した。一方Aはこれまた友人と相談をして一緒に受験をと考えていたようであるが、今まで我がまま放題甘えてきた彼には厳しくても自律を促す必要があると考えていた。