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(庄司) 今、兄弟のことを聞いたのは、実子がいなくて里子を引き取った場合、一人の場合が圧倒的に多いですよね。ですけども、やはり兄弟がいることはそれなりに意義があると思いますので、里子を委託する立場の人あるいは里親である人も一人だけと言わずですね、何人か引き取って育ててもらえると皆良いなと思いました。

本当はもう少し、いろいろディスカッションしたいんですけども、もう時間が追ってますので最後に一言まとめさせて頂きたいと思います。

永井さん含めて4人の話されたことは、やはり家族とはという所に焦点がいったように思います。家族というのはいろいろな捉え方があると思いますけども、一つは一緒に住んでいる、あるいは一緒に住んでいた。それから、もっと大事なことは濃密な人間関係があるということだと思います。関係があるということは、決して良い関係だけとは言えない、良い面だけではない。時には相手を傷つけるようなことも起きてくる。そういったものだと思いますけども、ただ要するに良い方が多ければ良いのではないかというふうに思います特に良い人間関係というのは決して血のつながりだけで保障されるものではないですね。これは新聞の記事を見ればすぐわかると思います。血がつながっていなくても、少なくとも普通の親子としてやっていくことは十分できる、それは今日私伺ってよく分かったことだと思います。家族というのは、本当は濃密な人間関係の分だけぶつかることも起きます。ぶつかって、そこで折り合って、また良い関係に戻る、これが家族の関係だと思いますけども、今はぶつかるのを避けるために表面的に良い関係で過ごす。子どもにも遠慮してしまうなんてことも起きてきます。ですけれども、互いに本当の気持ちを出して語ってそれを聞いてもらう、そういったことが必要なのではないでしょうか。

今日の話、特に里子のお二人の話を聞いて、お二人とも感謝という言葉を使われていました。親への感謝、親孝行したい、今なかなかそういった言葉聞けないですよね。これは当たり前のことだと思いますけども、そういったことが意識されていない状況の中でとても良い話を聞いたなと思います。久禮さんのお話の中では、子どもへの感謝というのが「宝」という言葉で表されていたと思います。もう一つ、親への感謝・子どもへの感謝だけではなく、夫への感謝・妻への感謝ということもお互いに忘れてはならないと思います。今日のお話伺ってですね、里親・里子が増えるともっと世の中が良くなるのではないか、親子の関係が良いものになるのではないかと、そんなふうに感じました。

今日は4人の方々、どうもありがとうございました。盛大な拍手をお願いします。

 

全体会

 

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(司会) 只今から全体会を行います。全体会の進行は和歌山県会長・御所伸之が務めます。

(御所) 長時間に亘りまして皆さんお疲れのことと存じますが、もう暫くこの全体会、特に推進の要望等についての御報告もございますので、もう暫くお付き合いいただきたいと思います。

 

 

 

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