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ですけども、うちに来た子どもにはなかなか懐いてもらえなくてですね、うちに来てちょうど1ケ月経った時に自分から手を差し伸べて抱かれに来た、非常に感激した思い出があります。こういうような体験というのは、実の親子ではもしかすると経験できにくいことかもわからないです。その後、多少の問題はありましたけども、我が家では実子の方がいろいろ問題があってですね、ちょっと過敏な子でそれからこだわりが強かったりして、第一子ですけども、その子はわりあい長く登校拒否をしていて、その時妻なんか泣いていると里子が小さかったんですけども、「お母ちゃん、泣かないで」みたいなことを言って、それで支えられたみたいなことがあります。今高校3年ですけども、先日専門学校の面接があってですね、合格して来年から専門学校に行きます。ぼくの親の介護をするのを見ていて「私は老人介護をしたい」と言います。「ぼくも頼むよ」とお願いしているんですけども、どうなるんでしょうか。

さて、体験を発表して頂いた方々で、結構共通していたのが兄弟がおられる。時間がそれ程ないんですけども、それぞれ兄弟についてどんな関係だったとか、どういう関係であるとか、そのことを一言ずつお話して頂けますか。久禮さんから。

(久禮) 姉と妹はすごく仲良しです。姉が出ていった時も「お母さん泣いてるで」って部屋の違う所から姉に電話してました。やっばり相互に連絡も取り合って、今も子育てをしているんですが、熱が出たとか病院行く時は姉の所へ電話して「一緒に行って」とか言って助けてもらっています。姉が都合悪かったらお母さんに頼もうかと、姉が「お母さんに頼み」って言ったら姉が行かないで私の方へ来るという感じですね。だから結びつきはすごく強いですね。

(庄司) 高垣さんはいかがですか。

(高垣) 私の所は、もともと今の家に兄である実子がいて、自分達きょうだい、自分に妹がいるんですけども、妹と2人でワンセットで引き取られたので、引き取られた時どうだったとかは覚えてないんですけども、後に聞いたら兄は妹ができてすっごいうれしかったみたいなんですけども、ちっちゃい時は家の中で一番怒ったら怖いのは兄だと思ってて、でも普通のきょうだいみたいな感じで、あまりきょうだい喧嘩とかはちょっと歳も離れていてあまりしなかったんですけども、普通のきょうだいみたいな、兄が父代わり・兄代わりみたいな感じで育ちました。妹とはよう喧嘩したり、歳が近いしきょうだいということもあって、あまり引き取られたからといってきょうだい同士何が変わったというのもなく。

(庄司) 普通のきょうだい関係を経験したという?

(高垣) はい。

(庄司) 御所さんは?

(御所) ぼくの所は、どっちかというと弟とはよく喧嘩はしたんですけども、妹の女の子というのと歳が離れすぎているというんで、下手に怒ると泣かれて手焼きかねんので、できるだけ怒らんでニコニコニコニコしようと努めてはいたんですけども、なかなか親が言うこと聞かないんで「お兄ちゃん、ゆうてやってよ」言うて、叱ってやるという父親代わりというか兄貴面して親分代わりになっているっていうか、そういうふうにはしてました。ただ、喧嘩するといってもそんな溝ができる程の大きな喧嘩というわけではなくて、ちょっとした些細なことからの喧嘩だったんで、今はもう弟も社会人ですし、なかなか私が九州におるもんですから連絡も電話一つでチョロっと済ますといった程度ですかね。仲はそれなりに良いとは思いますけど。

 

 

 

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