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シンポジウム

 

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テーマ

「里親として里子として生きる」

コーディネーター

青山学院大学教授 庄司順一

シンポジスト

和歌山県里親会 久禮多世

〃 高垣愛子

〃 御所篤

和歌山県子ども・障害者

相談センター子ども相談課

永井真理子

(庄司) それでは、これからシンポジウム「里親として里子として生きる」を始めたいと思います。里子を委託する立場の永井さんを含めて4名の方にそれぞれの立場で里親としての、里子としての、あるいは委託する立場からみた、そういう経験についてお話をして頂きます。

皆、口では「緊張している。緊張している。」と言っていますけれども、それほどではないんではないかとも思いますけども、「緊張している」とそうおっしゃっていますので、よくご理解して暖かい目でこちらを見て頂きたいと思います。それでは、レジュメ18頁の順番でお話をして頂きますけれども、初めに久禮多世さん「より良き人生を求めて」お願いします。

(久禮) 皆さん、こんにちは。和歌山県里親会の久禮です。今日は里親として共に過ごしてきた様子をスライドを交えてお話します。スライドよろしくお願いします。

娘二人との出会いは今から15年前、上が小学6年生で下が3年生の昭和61年のお正月でした。お正月の3日間を私達夫婦と一緒に過ごしてみてはと、児童相談所の計いがきっかけでした。以前に里親としての登録はしていましたが、一緒に過ごすのはこれが初めてです。皆でおせち料理を食べたり、街ヘショッピングに出かけたり、遊園地ではしゃぎまわったりして楽しく過ごしました。私も久し振りに童心に戻り、ワクワクドキドキの3日間でした。このわずか3日間の出来事が2人の子どもと私達夫婦の心に大きな影響を与えることになりました。再会を約束して帰って行ったその夜、私は2人を里子として受け入れてもいいなと密かに決心致しました。

3ヵ月後の春、里親として4人での生活が始まりました。姉は中学1年生に入学、妹は小学校4年生として転入、新しい学校でのスタートです。2人で相談したのか、その日から私達を「お父さん・お母さん」と呼び、私達は2人をニックネームで呼ぶことにしました。受け入れる時、特に気を遣ったことは、2人が心を開いて打ち解けてくれるだろうか。里子だということでいじけたり、遠慮したりしないかが心配でした。

 

 

 

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