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4 1999年1月21日

プレ企画Vol.5[作曲家が語る「遠い帆」]

仙台市青年文化センターシアターホール

 

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三善晃氏

(作曲しながら)

なかなか終わりがこない支倉の旅と同じような航海に出ている、ずっとそんな気持ちでした。ようやく今年1月3日の朝の6時ころ終わったんですね。だけど、長いこと、その瞬間こそと思っていたのに、終わったときには何も感じなくて、虚脱というか、スーとおしまい。こんなことでおしまいか、こんなことだったのかなと、家内とも話し合ったくらいでした。

(一番苦労した点は?)

それは構成をどうするかということでした。私はせっかちなせいか、音楽で表せるところは音楽でやるけれど、筋を運ぶために会話をする、その会話に音楽をつけるというのが苦痛なんですね。そうじゃなくて、歌ってもらうところはすべて音楽的にも、ドラマ的にも意味があって時間をつくっていくという流れにしたい。

オペラという言葉は、結局いま通用しているオペラ作品を指すようになって久しいのですが、僕は、「オペラ」という言葉そのものをもう少し開放したらどうかと思っています。今日、舞台上で何が行われているかというとコンサート、演劇、バレエ、踊りですね。こういうように芸術の様式の仕分けができているけれど、舞台というのは人間がもっている共同の空間で、そこで何をしてもいいのだと思う。

“これがオペラでございます”という様式の中に入り込みたくはない。“これは一体何?”というのがいいですね。

 

 

 

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