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管内における要救助海難の発生状況を見ますと、平成9年から昨年まで増加を続けており、昨年は310隻と前年に比べて58隻も増加しました。このうちプレジャーボート等の海難は過去最高の138隻であり、全海難の半分近くを占めています。

プレジャーボート等の海難に限って、今年の状況を見てみますと、7月末時点では62隻であり、昨年同時期(72隻)に比べ減少してはおりますが、当本部としては、「海難ゼロ」を目指して、安全指導等の海難防止活動に引続き取組んで参りたいと考えています。

また、本年7月に明石海峡で、プレジャーボートから子供(6才)が海中に転落し、これを救助しようと海中に飛び込んだ両親とともに行方不明となる事故が発生しておりますが、行方不明の3名はいずれも救命胴衣を着用していなかったことから、海上保安庁では、同種事故の再発防止のため、マリンレジャーにおける自己救命策確保として、救命胴衣の着用、連絡手段の確保及び118番への救助要請について指導を行っていくこととしています。

しかしながら、管内には約7万隻にも及ぶプレジャーボートがあり、これらの利用者すべてに対する安全指導を、私どもの力だけで行うことはとても難しいことであります。このため、282名の海上安全指導員の方を含めた6,100名を超える会員と224隻の安全パトロール艇を擁する貴協会及びその会員の皆様方それぞれに対しまして、海難防止活動へのより一層の御尽力をお願い申し上げる次第です。

最後に皆様方のご繁栄とマリンレジャーを安全に楽しまれますよう祈念して就任の挨拶と致します。

 

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(提供) 岡山県西部地区小型船安全協会

主任海上安全指導員 橋本典治氏

 

 

 

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