第六管区海上保安本部長
岩男登
本年6月30日付で第六管区海上保安本部長に就任いたしました。「岩男」でございます。
社団法人瀬戸内海小型船安全協会の会員の皆様方には、この広報誌「せとかぜ」で、初めてお目にかかることになりますがよろしくお願いいたします。
また、日頃から、皆様方が訪船指導などを通じて小型船舶の海難防止、運航マナーの向上など安全で秩序あるマリンレジャーの普及と発展に多大なる貢献を果たされていることに対しまして、お礼申し上げます。
私は大分県出身で、呉市にあります海上保安大学校卒業後、北は釧路から南は鹿児島まで全国各地で勤務し、この度、新潟から当地広島にやってまいりました。
六管区での勤務は、昭和42年頃に巡視船「こじま」(海上保安大学校の練習船)に乗船して以来30年振りとなりますが、その他の勤務地でも、当管区の業務に様々な関わりがありました。例えば、大畠瀬戸の大橋や来島海峡の三つの大橋を架ける時には、本庁航行安全課で、工事に伴う航行安全対策に携わりましたし、また、昭和49年の水島港における大量の原油流出事故の際には、門司から巡視艇で駆けつけ、流出油の処理に当たったことなどが思い出されます。
この度、久し振りに当管区で勤務するに当たり、新たな気持ちで、海上交通の安全確保、海上災害の防止、密航・密輸の取締りなどに精一杯努めたいと考えております。
さて、当本部が管轄しております瀬戸内海及び宇和海は、気候温暖で静穏な海、島々が織りなす美しい景観など、マリンレジャーの活動の場として大変恵まれた環境にありますが、その一方で、大小の島嶼、岩礁等が存在する多島海域であって、狭水道も多く、濃霧が多発する等の自然条件に加え、西日本経済圏の海上輸送の大動脈としてタンカー、貨物船等多種多様な船舶が多数通航し、また、漁船の操業も盛んであるなど、海域利用の形態が複雑で過密なことから、海難発生の危険生が高い海域でもあります。