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4.4 試験結果のまとめ

(1) APLの擬似距離精度

前述の4.2項試験結果(1)APL擬似距離精度に示される様に擬似距離精度は標準偏差(1シグマ)で0.0502mと良いデータが得られた。

後述、4.5項その他(各種データの整理)で記載するが、参考のために取得したAPLのC/Aコードでの擬似距離(図5-3で0.1337m)或いは実運用のGPSの擬似距離を12次多項式で近似し、もとの値から引いた残差(図5-29のGPS PRN 2で残差(1σ)0.3651m、図5-32 GPS PRN 31で残差(1σ)0.9302m)よりも良い擬似距離精度が得られている。これは、RTCA/DO-246A January 11、2000「GNSS Based Precision Approach Local Area Augmentation System(LAAS)-Signal-In-Space Interface Control Document」に規定されるPコードを使用した地上疑似衛星(APL)が、C/Aコードに対して擬似距離精度に優位性があるということである。

 

(2) バイアス問題

前述の4.2項試験結果(2)バイアス問題に示される様にAPLの信号レベルの変化に対して、信号レベルの62dB(図5-15で72dB〜10dB)の変化に対して、約5.5mの変化があった。また、実用上の範囲と考えられる約30dBの範囲でも2.2mの変化があった。

高カテゴリー精密進入での使用においては、現時点ではバイアス問題は、今後の課題として残ることになる。

 

今回の減衰量の変化は、電波伝播のスパンロスから計算して、10nmから0.01nm位の距離(72-10=62、約60dBとして計算)となっている。

(nm:海里)

空港内にAPLを設置することを考えて実際には、使用する範囲は10nmから1nm(20dB)或いは10nmからせいぜい近づいても0.3nm(30dB)程度と想定しているが、今回は実機ではなく、開発段階につき、極力大きな範囲のデータ取得を行なっている。

 

 

 

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