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裏では「まじめに4年間出席して、授業料を払ってくれれば、入試の成績などどうでも良い」と言いながら、我々のアンケートにも答えず、シンポジウムにも相談会にも来ない。これが現実である。

我々としては、不登校経験者には成績も良く、立派な人物も数多くいることを、更に訴えていかなければならない。挫折を味わった人間の方が、何も考えずに高校を卒業してくる人間より、優れた部分が多くあると思えるのだが。

 

6] 今後の最も大きな課題として「社会参加まで含めた相談機関の必要性」が挙げられる。これは教育センターや教育研究所の相談部門、児童相談所、児童養護施設等の公的相談機関は、いずれも18歳という年齢制限があって、現実的にかなり難しい。というのは社会参加を考える人たちは殆ど19歳以上だからである。当協会としては「本事業のネットワークを活用して、各地に相談機関の設置を計画しなければならない」とは考えるものの、資金や相談員等まだまだ課題が多い。

 

7] 1年間を振り返ってみると、進路選択の段階でのミスマッチが、かなり見受けられる。

社会参加に関してはまだ始まったばかりで何とも言えないが、進学時、特に不登校生の高校進学時に、不充分な情報で高校進学して、高校1年で中退というケースが多い。小中学生の不登校生の場合、殆ど勉強しないフリースクールに行って、その後の進学や社会参加に大変な時間を要する人も増えている。

大都市圏では進学校の私立中学に猛烈な勉強をして入ったものの、受験疲れで不登校になるというケースも増えている。これらはいずれも情報不足からくるミスマッチである。

近年不登校向けのガイドブックが多数出版されるようになったが、そこに掲載されている教育機関が、どの不登校生にも合うということはない。そこで相談員はそれらの教育機関の内容を熟知した上で、その子に最もふさわしい教育機関を紹介する必要があるのだが、実際には、情報に詳しくしかもカウンセリングができる相談員は、大変少ない。このような相談員の育成も今後の課題である。

各自治体の教育研究所、教育センターの相談部門は、本来このような情報センターの役割を担っているのだが、公的機関であるがゆえに難しい点もある。それは民間の教育機関の情報収集と情報公開である。例えばフリースクール、フリースペース、サポート校は塾と同様、いつでも、どこでも、誰でも設置が可能で、届出も必要ないため、把握しにくいこと、いわんやその内容の良し悪しなどは分かりにくいこと、フリースクール、フリースペースは規模が小さく、解散してしまうところがあること、(私どもの相談会の案内を送っても毎年10%は入れ替わっている)しかもたとえ知っていてもどこが良いか悪いかという質問には答えにくいこと、などである。

 

 

 

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