2. 今後の課題
1年間に渡る本事業を見直してみると、今までの経験を生かし、成功裏に終了することができたと考えている。しかし当然反省するべき点もあるので、以下にそれを示し、今後の課題としたい。
1] 当協会及び本事業の知名度が低く、具体的な社会参加の相談が少なかった。また相談者の希望と現実のギャップ、親と本人の気持ちのギャップも大きく、社会参加の実現までには、まだかなりの時間を要すると思われる。
2] 事業はほぼ計画通り実施されているし、むしろ拡大された部分もあるが、経費節減に努めた結果、決算が予算を下回ることとなった。
予算と決算の違いが大きい部分は、謝礼金、旅費、会場借用料である。謝礼金としては、臨時雇の謝礼をかなり予算に組んだが、実行委員の所属団体の職員が開催地の受付等を務めてくれることが多くなり、その分外部からの臨時雇費用が殆どかからなかった。逆に実行委員等の旅費が多くかかった。
会場費は公共施設の活用と、会員や実行委員の施設を借用したため、大幅減となった。結果としては良かったともいえるが、予算の組み方が不適切であったという点は反省している。
3] 不登校生やその親に対しては「一人で悩まないで、いつでも相談して」というメッセージを、あらゆる方法で伝えたいのだが、これがまだ不充分である。
4] 不登校生に対する世間の見る目を変えてほしい。最近の様々な事件に、元不登校生、あるいは「ひきこもり」が関係しているという報道もあって、彼らは大変肩身の狭い思いをしている。我々は彼らに自信を持って、安心して生きるようアドバイスしなければならないし、世間の間違った見方を変えていかなければならない。これにはまだまだ時間がかかりそうである。
5] 本事業の調査から、シンポジウム、相談会のすべてに渡って、大学や専門学校という高等教育機関の非協力的な態度が目に付いた。これはどうもわが国特有の本音と建前のようであった。つまりこの少子化の時代、高等教育機関は、一部の有名大学を除いて一人でも多くの学生がほしいというのが本音である。ところが建前としては「不登校生に広く門戸を開いている」ということは言わない。いや、言っているのだが書面には表さない。