日本財団 図書館


(4) 自立と社会参加というテーマで考えてみると、不登校の問題点が良く分かってくる。つまり不登校を受け入れている数多い教育機関の中で、彼等を社会参加させようと考えているかどうかで、大きく分けることができる。今不登校で悩んでいる方々が、今後様々な教育機関の中から行き場所を探す場合、こういう視点で考えるのも一つの方法だと思う。

 

(5) 過去6年間に渡る「もう一つの進路相談会」の開催と1年間の本事業を合わせ、更に文部科学省の様々な施策、マスコミからの情報等を総合してみると、不登校問題の解決策の一端が見えてきたような気がする。今まで我々が行ってきたのは、すべて不登校になった人への対応、解決方法であり、対症療法であった。それに対してここの示すものは一種の予防策とも言えるものであるが、まだまだ十分な検証が行われていないので、本事業の推進と合わせて研究を続けたい。

 

1] 近年の不登校の理由として

「他人とコミュニケーションがとれない」が増加している。これを一人遊びの増加が原因とする学者や評論家が多いが、そうだとすると「如何に他人とコミュニケートできる遊び環境を設けるか」が方法論として浮上する。

そこで例えば「児童館」や「学童保育所」の活用はいかがであろうか。両方とも指導員がおり、子どもたちが自由に生き生きと、かつて我々が遊んだように、楽しく過ごしている。ここではごく自然に子どもたちがコミュニケーションの取り方を身につけてしまう。学童保育所は両親が働いていることが条件だが、もしこれを「働いていなくても入所できる」とすれば、小学校1〜3年の子どもたちはすべて参加できる。更に年齢幅を6年生までとすれば、効果は飛躍的に向上する(実際民間の学童保育所は6年生まで受け入れている所もある)。児童館の指導員にも不登校生や非行少年などの相談にのっている方々も多数いて、中には非行少年から「心の通じる兄貴分」として慕われている人もいる。

但し、児童館、学童保育所共に厚生労働省の管轄で、学校や不登校を使う文部科学省とは異なる行政機関にあるため、今後の課題も多いが、本事業の「地域のネットワークづくり」に合わせて活動を推進すれば、「他人とのコミュニケーションづくり」は可能であると確信している。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION