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(7) 不登校生に対する偏見の確認

本事業で分かったこととして、地方での「不登校に対する偏見」がある。シンポジウムに「不登校生の進路と社会参加、(地域の担い手ネットワーク作り方)と名うっているにもかかわらず、東北では相談者が何と20人も来てしまった。当日は相談員もおらず、十分な相談にものれないので、9月の相談会に来るように話してお帰りいただいたが、本番の相談会には何とたったの1組の親子しか来なかった。後に調べてみると「シンポジウム」に行くなら周囲の目は気にする必要はないが、相談会に行くのが知れると「あそこの子は不登校なんだ」と周囲の目が厳しくなるので、行きたくても行かれないのだそうである。このシンポジウムと相談会の逆転現象は他の地方都市でも見られたことから、地方ではまだこのような偏見が残っていると思われる。

この偏見を打破するためには「不登校生でも大学に行き、社会参加している」という実例を数多く示すしかないと思われる。実例が少ない現実で少しでも相談に応じるためにはどうするかを考えた結果、次年度は1日で午前シンポジウム、午後相談会を行うこととして、世間体を考える方は午前中から来ていただき、シンポジウムにも出席してネットワーク作りに参加してもらうように考え、計画している。

 

(8) 地域のネットワークづくりには、5種類のサブネットが必要

地域における不登校生の社会参加のネットワークづくりには、下記の5種類のネットワークの構築が不可欠であることが分かった。

1] 不登校経験者をインターンとして受け入れる「企業・事業体」のネットワーク。

2] 不登校経験者をボランティアとして受け入れる「福祉施設等」のネットワーク。

3] 彼等を社会に送り出す「教育機関」のネットワーク。

4] 彼等を理解し見守る「親(特に父親)」のネットワーク。

5] 既に進路を見出し、歩み出した「先輩」のネットワーク。

これらをコーディネートする立場として、行政機関と我々のような団体が必要であることは言うまでもない。

 

 

 

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