発生状況 職種 運転士 年齢(経験年数) 49才(27年)
トラックの荷台に部材約350kgを入れた木箱を乗せていた。フォークリフトで荷台に乗せた木箱の位置が悪かったので、本人が人力で移動させようとした際、手袋をしていた手が滑り、その反動で荷台のあおりより墜落し受傷した。
原因
1. 人力では無理なものを、人力で動かそうとした。
2. 重量物に対する取り扱い上の指示の不徹底。
対策
1-1. 重量物取扱いに対し、過去の墜落転落事故等をまじえた教育を行い、再発防止の徹底を図る。
1-2. 重量物を移動する場合は、クレーン、フォークリフト等で行い、人力では行わないことを徹底する。
2-1. 積み荷が片寄っている場合は、積み込み作業者に連絡し移動を行う。
2-2. 「墜落時保護用安全帽」(衝撃吸収ライナーの入っているもの)を着用させること。
(過去にこの種の経験があると、今でもできるという感覚がある。人力で運搬、移動できる重量を定め、それ以外はクレーン、フォークリフト等を活用し、自分勝手な判断で行わないことを徹底すること)
中高齢者への留意すべき点
350kgもの重量物をなぜ人力で動かせると判断したのか。全船安の中高齢者のヒヤリ報告の中でも「深く考えなかった」「大丈夫だと思った」がそれぞれ2割づつあるとされている。加齢による影響は運動能力ばかりでなく、判断力の甘さという精神面にも現れることがある。